昨年度までに解析したメタボロミクスのデータを活用し、予備分画および活性評価を組み合わせて効率的な新規活性物質の探索をおこなった。深海性のStelletta属カイメンから3つの細胞毒性物質を発見したため、各種分析機器を用いた構造解析をおこなった結果、新規の糖脂質であることを明らかにした。また、Theonella属カイメンからは細胞毒性物質として2つの化合物を発見し、その化学構造を決定したところ、2つの環状ペプチドがジスルフィド結合で結合した新規ペプチドであることを明らかにした。このように、構築したデータベースを活用することで、効率的に探索研究が実践できることが明らかになっため、現在、より希少な生物試料を用いて探索研究を進めている。宮古列島の海底洞窟で発見した希少なカイメンから新規化合物を発見した。この化合物をデータベースで検索した結果、深海で採集されたカイメンにも含まれていることが明らかとなった。今後、化学構造を明らかにするとともに、カイメン種と生産微生物についても検討する予定である。
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