海洋天然物は多様な化学構造を持ち、また、興味深い生物活性を示すことから、医薬品の探索資源として利用されている。その中でも海綿動物は体内に数多くの共生微生物を持つことから、化合物の多様性に富む。本研究では、海綿動物の抽出物に対するメタボロミクスにより、各海綿動物の化合物プロファイルを明らかにし、未利用資源からの有用物質の探索研究に有効活用することを目的とした。その結果、約1500種の海綿動物の化合物プロファイルの構築とクラスター解析に成功し、さらに解析データを基に2種の海綿動物より生物活性物質の単離と構造決定に成功した。
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