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2013 年度 実施状況報告書

アクアポニックスの構築-特に海水を用いた植物と魚類の連携-

研究課題

研究課題/領域番号 25660164
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京海洋大学

研究代表者

竹内 俊郎  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (70092591)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード水耕栽培 / 閉鎖循環式養殖 / 耐塩生植物 / 魚類 / アイスプラント / クエ / 窒素 / リン
研究概要

本年度はまず一般的によく知られている耐塩生植物としてアイスプラント Mesembryabthemum crystallinum を取り上げ、水耕栽培を試みた。
まず発芽実験を蒸留水・塩分8psu・32psuとして、室温15-20度で行ったところ、蒸留水のみが発芽し、塩分を含んだ脱脂綿からの発芽はなかった。その後、4枚葉となったアイスプラントを、水耕栽培器(今回備品として購入)に植え、室温20度及び25度で1週間飼育した。照射時間は24L0Dとした。その結果、25度栽培は20度栽培に比較して葉が柔らかく、緑色も薄く、かつ葉が痩せる傾向をしめした。
次に、20度の室温で、淡水区・8psu区・16psu区を設け栽培したところ、淡水と海水では形状に大きな差が表れた。すなわち、塩分を含んだ栽培区では葉の裏に透明な粒子が大量に付着しているとともに、茎が多く、かつ食味したところ塩味が確認された。特に、8psu区で順調な生育が観察された。
次に、あらかじめ閉鎖循環式飼育システムでクエ Epinephelus bruneusを飼育し、硝酸態窒素濃度が500ppmに達した飼育水を用いて、8psuと11.3psuに海水濃度を調節した飼育水を作成した。アイスプラントを設置した水耕栽培器を20度の部屋に設置し、それぞれ2つの海水濃度の培養水を投入し、アイスプラントにより吸収される、窒素およびリンの初期減少速度を求めた。11.3psu区に比較して8psu区では順調な生育が見られ、窒素は9.7mg/kg wt/day、リンは1.7mg/kg wt/dayの値が得られた。
今後は本減少速度を勘案して、クエの飼育排水とアイスプラントの栽培が連携できるシステムの構築を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アイスプラントの栽培方法の把握、クエの循環養殖システムの構築、クエ飼育排水を用いた、アイスプラントの窒素およびリン吸収速度など、十分な成果が得られた。ただし、窒素とリン以外の成分については本年度分析できなかったことから、次年度にはカリウムを含めミネラル類を分析する予定である。

今後の研究の推進方策

1)今回の結果をもとに、クエの飼育排水とアイスプラントの栽培が連携できるシステムの構築を目指す。
2)アイスプラント以外の耐塩生植物、例えば、アッケシソウ、ツルナなどについても生育条件を調べる。
3)今回飼育したクエは塩分32psuで最も優れた成長を示したが、アイスプラントは8psuが優れていたことから、直接両者による連携栽培飼育ができないことが分かった。そこで、8psuで生息可能なヒラメ・カレイ類あるいはトラフグを用いて、連携飼育を行う。
4)耐塩生植物と魚類数種によるマッチングを行い、より連携が可能な組み合わせを提案する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 陸上養殖の強みと弱みを理解しビジネスチャンスにするために2014

    • 著者名/発表者名
      竹内俊郎
    • 雑誌名

      養殖ビジネス

      巻: 51(1) ページ: 34-38

  • [雑誌論文] 閉鎖系循環養殖システムの最新動向2014

    • 著者名/発表者名
      竹内俊郎
    • 雑誌名

      環境浄化技術

      巻: 13(2) ページ: 29-35

  • [雑誌論文] 陸上養殖におけるこれからのビジネスチャンスとその経済性・事業性2013

    • 著者名/発表者名
      竹内俊郎
    • 雑誌名

      研究開発リーダー

      巻: 10(9) ページ: 30-35

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公開日: 2015-05-28  

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