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2013 年度 実施状況報告書

魚類の栄養要求に及ぼす環境水塩分の影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25660165
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京海洋大学

研究代表者

佐藤 秀一  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80154053)

研究分担者 芳賀 穣  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00432063)
近藤 秀裕  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード環境水塩分 / 栄養代謝能 / 必須脂肪酸 / アミノ酸
研究概要

海産魚類では、タウリンの合成能が弱いため、餌飼料中にタウリンを要求する。タウリン合成には、いくつかの経路があり、システインからシステイン硫酸を経て、ヒポタウリンの合成を触媒するシステイン硫酸脱炭酸酵素(CSD)が律速酵素であると考えられている。そこで本研究では、マダイおよびブリのCSD遺伝子を単離して、その構造解析ならびに既報のCSDとの類縁関係を解析した。また、上記2魚種に加えて、スズキおよびマツカワの計4魚種について、組織特異的な発現を解析した。
マダイおよびブリ肝臓から全RNAを抽出し、既報のCSD配列に高度に保存された領域にプライマーを設計して、CSDの部分配列を単離した後、RACE法により完全長CSDを単離した。CSD遺伝子の構造解析および近隣結合による系統樹解析をおこなった。また、上記に魚種に加えて、スズキおよびマツカワから全RNAを抽出し、魚類CSDに有効なプライマーペアを用いて、脳、鰓、心臓、胃、腸、幽門垂、筋肉、膵臓、胆嚢、腎臓などにおける発現を調べた。
cDNAクローニングの結果、マダイおよびブリCSDの部分塩基配列776 bpおよび725 bpのCSDの部分配列を単離し、RACE法により、1882 bpおよび1821 bpのマダイおよびブリCSDを単離した。マダイおよびブリCSD様遺伝子は、既知の魚類CSD遺伝子と同じクレードに分類され、互いに88.8%、ティラピアやメダカなどと83%以上の相同性を示した。また、ドメイン解析によりピリドキサルリン酸(ビタミンB6誘導体)応答モチーフが見られた。各魚種の体組織における発現を観察したところ、すべての魚種で肝臓および幽門垂に強い発現が見られ、スズキ以外では心臓にも強い発現が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者は,今までにマダイ,ブリ,スズキ,マツカワ,ニベの脂肪酸代謝関連遺伝子を文理するとともに,アミノ酸代謝関連酵素遺伝子のCSDの単離にも成功している。この度は
マダイ,ブリ,スズキ,マツカワの各臓器における遺伝子の発現を検討するなど,おおむね順調に,研究が進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

今までは,アミノ酸の代謝に関連する遺伝子の単離を行ってきたが,今後は脂肪酸代謝に関連する遺伝子である脂肪酸長鎖化酵素遺伝子elovl,脂肪酸不飽和化酵素遺伝子のfadsの環境水中の塩分の変化に伴う発現応答について,検討する。具体的にはマダイ,ニジマスを異なる塩分の海水で飼育し,関連遺伝子の発現量を解析する。このことにより,環境水中の塩分とアミノ酸および脂肪酸の栄養代謝能の関連性を検討し,広塩性魚類の塩分耐性と栄養代謝の関連性を分子レベルで明らかにする。また,環境中の塩分変動に対応している広塩分性魚類がタウリンやDHA合成を亢進させて,塩分耐性能を高めているか否かを明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マダイおよびブリのシステイン硫酸脱炭酸酵素のクローニング,構造解析ならびにスズキおよびマツカワの体組織における発現2013

    • 著者名/発表者名
      芳賀穣・近藤秀裕・熊谷彩花・佐藤敦一・佐藤秀一
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      三重大学
    • 年月日
      20130919-20130922

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公開日: 2015-05-28  

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