研究実績の概要 |
トラフグ(Takifugu rubripes)毒化における、フグ毒結合タンパク質の関与を証明するため、トラフグのフグ毒結合タンパク質遺伝子(Pufferfish Saxitoxin and Tetrodoxin binding protein 2, TrubPSTBP2)に対するノックアウト系の構築を試みた。当初Transcription Activator-like Effector Nucleases (TrubPSTBP3-TALEN)を用いたノックアウト系の構築を試みた。 しかしターゲット遺伝子が複雑なため、CRISPR (Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)//CRISPR associated proteins(Cas9)システムを用いてノックアウト系構築に変更した。CRISPER/Cas9システムを用いて試行を行い、 メダカにおいてPSTBP2のホモログであるTBT-bp1およびTBT-bp2の遺伝子破壊に成功した。この系のPSTBP2遺伝子破壊の動作を調べるために必要な、ヒートショック誘導TrubPSTBP2発現型トランスジェニックメダカのホモ接合型(TrubPSTBP2発現メダカ)系統の作成を行ったが、本トランスジーンの熱に対する発現のレスポンスが悪く、発現が不完全で、へい死も出たためホモ化ができなかった。よって、一気にトラフグ授精胚を用いてPSTBP2-CRISPER/Cas9 を用いて、PSTBP2遺伝子の破壊を試みた。処理したトラフグ胚(3日目)を用いて、HMA (Heteroduplex Mobility Assay)を行い、変異導入を確認した。その結果、24検体中20個体の胚で、変異が確認出来た。よってPSTBP2-CRISPER/Cas9の遺伝子破壊ができた。現在、クローニングを行い確認を行っている。本研究により、フグ毒結合タンパク質KO遺伝子破壊系統作出の準備ができた。
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