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2015 年度 実績報告書

サンゴの「個性」がストレス耐性の鍵?-ゲノム科学による解明-

研究課題

研究課題/領域番号 25660172
研究機関沖縄科学技術大学院大学

研究代表者

新里 宙也  沖縄科学技術大学院大学, その他の研究科, 研究員 (70524726)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードサンゴ / ゲノム / SNP / ストレス
研究実績の概要

サンゴのストレス耐性は個体により著しく異なるのではないかという仮説のもと、ストレスに耐性がある個体と敏感な個体を複数選別し、そのゲノム上の一塩基多型(SNP: Single Nucleotide Polymorphism)を比較することで、ストレス耐性に関わる遺伝子やゲノム領域の特定を目指している。ミドリイシサンゴは沖縄地方に普通に生息し、全ゲノムが解読されているサンゴである。そのゲノムデータを利用することで、ゲノム上に存在する多数のSNPを特定・解析することが可能である。
これまでに、次世代シークエンサーから生み出される膨大なDNAシークエンス情報からのSNPの特定、そして膨大な量のSNP情報から、高品質で信頼性が高いSNPデータを選抜する解析手法を確立し、パイプライン化した。この手法を応用して実際にミドリイシサンゴからSNPを検出し、その成果の一部を学術論文として報告することができた。
さらに漁業者から情報提供のあった、ストレスに強いサンゴ(ウスエダミドリイシ)について解析を行った。実際の観察と飼育実績の情報から、通常のストレス耐性を示す4個体と、ストレスに強い個体を選抜した。それぞれからゲノムDNAを抽出、次世代シークエンサーでDNAを解読し、SNPを特定した。それぞれの個体から約3-400万ヶ所のSNP情報が得られた。ストレスに強い個体のみに確認されたSNPは、約35万箇所であった。そのうち、表現形に大きな影響を与えると考えられる、遺伝子領域の終止コドンの生成やアミノ酸の置換を引き起こすSNP、約1600個の特定に成功した。これらがストレス耐性に関わっているSNPの候補だと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Genome-wide SNP analysis explains coral diversity and recovery in the Ryukyu Archipelago2015

    • 著者名/発表者名
      Chuya Shinzato, Sutada Mungpakdee, Nana Arakaki, Noriyuki Satoh
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 5 ページ: 18211

    • DOI

      10.1038/srep18211

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ゲノムデータを用いた沖縄のコユビミドリイシサンゴの集団解析2016

    • 著者名/発表者名
      新里宙也・Mungpakdee Sutada・新垣奈々・佐藤矩行
    • 学会等名
      日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2016-03-28
  • [学会発表] サンゴ礁生態系の保全・再生へのゲノミクス技術の活用2015

    • 著者名/発表者名
      新里宙也
    • 学会等名
      日本生物工学会大会
    • 発表場所
      城山観光ホテル
    • 年月日
      2015-10-27
    • 招待講演
  • [学会発表] 全ゲノムSNPデータを用いた沖縄のサンゴの集団ゲノム学解析2015

    • 著者名/発表者名
      新里宙也・Mungpakdee Sutada・新垣奈々・佐藤矩行
    • 学会等名
      日本進化学会
    • 発表場所
      中央大学後楽園キャンパス
    • 年月日
      2015-08-20 – 2015-08-22

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公開日: 2017-01-06  

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