| 研究実績の概要 |
本研究では膜損傷が無く、さらにデヒドロゲナーゼ活性を有する生きた状態の共生微生物を単離回収する技術として、シロウリガイ類の体内に共生する化学合成細菌を、透明なITO電極基板上へ電気的に誘引付着させる技術、そして電極基板上に付着した化学合成細菌を剥離回収する技術の２つの技術を開発した。
深海底から捕獲回収されたシロウリガイ類は、大気圧条件下では数日間ほどしか生育できず、サンプリングのチャンスは天候に強く左右される。そこで、沿岸で容易に捕獲できるカイメンを用い、カイメン共生菌の電気回収を試みた。電気化学的に付着回収されたカイメン共生菌は、バクテリア31門(Acidobacteria, Actinobacteria, Aquificae, Bacteroidetes, BD1-5, Candidate division OD1, OP3, OP11, SR1, TM7, and WS3, Chlamydiae, Chlorobi, Chloroflexi, Cyanobacteria, Deferribacteres, Deinococcus-Thermus, Elusimicrobia, Fibrobacteres, Firmicutes, Fusobacteria, Lentisphaerae, Nitrospirae, Planctomycetes, Proteobacteria, SM2F11, Spirochaetes, Synergistetes, Tenericutes, TM6, and Verrucomicrobia)、アーキア3門(Crenarchaeota, Marine Group I, and Thaumarchaeota)におよぶ事を明らかとした。また、電気化学的に付着回収された微生物の99%以上が生きた状態であることを膜損傷の有無および細胞内デヒドロゲナーゼ活性、そして各種培養実験から確認した。
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