研究課題
本年度は、農産物を対象とした解釈レベル理論の妥当性を検証するために、学会での議論及びアンケートを実施した。まず、昨年度実施した解釈レベル理論の計測方法の妥当性については、日本フードシステム学会にて個別報告を行い、その方法の妥当性について議論を行った。その結果、解釈レベルの操作により、回答者の選択行動は有意に変化したことが確認されたものの、一方、仮想バイアスを低減させる効果があるとされるhonesty priming操作群では、有意な選択行動の変化は確認できなかった。このことから、何らかの事前作業により仮想的選択行動が変化する可能性とともに、事前作業の種類により、変化のあり様が変わってくることも示唆された。しかし、仮想バイアスと解釈レベルとの関係は、十分に検証することはできなかった。次に、複数ある心理的な距離(時間的距離、社会的距離、空間的距離)が農産物の場合にどのように表れるかを確認するために、アンケート調査を実施した。その結果、社会的距離は商品品質、商品価格、店舗利便性、商品知名度の全ての評価軸で影響を与えた。時間的距離は店舗利便性の評価軸で影響を与えた。その他の心理的距離と評価軸の組み合わせでは有意差が得られなかった。すなわち、解釈レベル理論は農産物消費行動分析においても一定の有効性を持つといえることが明らかになった。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)
フードシステム研究
巻: 21(3) ページ: 188、193
巻: 21(3) ページ: 170,175
巻: 21(3) ページ: 230、233