本研究では,主に歴史資料調査に基づいて,コモンズに関わるフォーマルな制度のほかや,人々の行動を実際に規定している慣習や人間関係・社会関係といったインフォーマルな制度と,コモンズ利用のパフォーマンスとの関係を明らかにすることを目的とした。明治後期の岩手県内の100件以上のコモンズを対象としたデータ分析では,村々入会と一村入会による入会管理の特徴を整理し、一村入会よりも村々入会において資源不足がより多く発生する傾向があることや,村々入会において何らかの制限(あるいは制度)が設けられる傾向があることなどを明らかにした。
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