研究課題/領域番号 |
25660190
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河端 俊典 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20335425)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 土木材料 / 環境 |
研究概要 |
H25年度は最初に,研究に用いる生分解性レジン(樹脂)や,温度,湿度ならびに埋設条件(腐葉土,微生物を考慮)を数種類選定し,その後,3号ケイ砂とS5~S10程度の骨材を用い,生分解性樹脂との配合割合を種々変化させ,テストピース用型枠(40mm×40mm×160mm)を用いて供試体を作製する.その際,骨材の粒径を変化させ,ワーカビリティの観点から,施工に即した必要強度を有した配合割合を決定した.また,パネル用型枠(30mm×100mm×500mm×3連型枠)を設計・製作し,レジンコンクリート(パネル型供試体)を大量に作製し,テストピース用型枠を用いて作製した大量の供試体を対象に,異なる環境条件か土中に埋設放置した. その後,埋設養生中の供試体を経時的に掘り出し,曲げ試験,圧縮強度試験ならびに割裂引張強度試験などを遂行し,生分解性レジンの種類や骨材の粒径が,供試体強度に与える影響について,検討した.さらに,自然分解(加水分解)での樹脂の分解性能を把握するため,予備試料を対象に,浸漬加水分解試験を並行して推進した. その結果,生分解性樹脂コンクリートは,養生するに従って強度低下を示し,曲げ強度と養生期間は,ポーラスコンクリートの圧縮強度空隙率関係に類似していることが明らかとなった.また,多孔質構造に着目し微生物の繁殖促進を期待して混合した竹炭は,自身の持つ抗菌抑制作用によって微生物の繁殖が抑制される結果が得られ,埋設土とし適当でないことが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数多くの供試体作製,長期間にわたる養生管理を計画通り遂行し,計画通りの試験結果を得ることができた.また加水分解に関する観点からの,追加実験や,埋設地盤条件を変えた供試体の追加作成など,計画以上の研究展開が図られているものと判断される.
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は,平成25年度のパネルでの各種曲げ試験,圧縮試験結果を受け,適切な配合割合を再度検討して決 定する.その後,パイプ用型枠(φ350mm×L1000mm)を用いて円筒状供試体を試作する.具体的には,L=1000mmの試作 パイプから管軸方向200mmを切り出し,円周方向の2点載荷試験を実施し,初期強度ならびに載荷荷重と鉛直変位 の関係から,弾性係数を評価する. また,管体軸方向曲げ試験(L=1000mm)を実施し,管軸方向曲げ剛性を明らかにする.さらに,強度劣化特性に関しては,円周方向2点載荷試験から得られた強度の経時変化から評価する.また,追加研究として,実用化へ向けての方針検討及び実証試験を遂行する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果報告に海外発表を予定していましたが,開催が,H26年度になりますので,海外旅費などのために,29万円ほどを繰り越しさせていただきました. H25年度から繰り越した約29万円は,成果発表のため,H26年度の海外渡航費に充当させていただく計画です.
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