ナノバブルによる活性酸素種(ROS)の発生と種子発芽に及ぼす影響について検討した。蛍光試薬APFによりナノバブル水でROSの発生が確認され、その量はナノバブルの数密度に正比例した。APFによる蛍光強度は、0-1 mMの範囲で過酸化水素濃度とも比例した。これを用いて酸素ナノバブル水及び空気・窒素混合ナノバブル水の酸化能は、それぞれ、0.5及び0.3 mMの過酸化水素水に匹敵すると推察された。一定の浸漬時間におけるオオムギ種子の発芽率及び内生のROS濃度は、空気・窒素混合ナノバブル水と0.3 mMの過酸化水素水の場合、蒸留水よりも高くなった。 以上、種子発芽促進のメカニズムの1つが提示された。
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