本研究では、大自由度離散系において観測される低次元(6~7次元以下)非線形ダイナミクスについて、これを非線形系に偏在する創発現象と仮定し、非線形時系列解析(カオス解析)手法を基盤として、大自由度離散系から観測される創発現象として観測される信号の決定性の定量的な検出法を提案した。また、この手法は、非線形ダイナミクスに駆動されノイズが混入した変動データに効果的に適用できることを明らかにした。対象としては、土壌の破壊現象、心循環器系の脈波変動、共通ノイズ同期としての温州ミカンの国内市場レベルの生産量変動、花粉結合と共通ノイズを印加されたドングリのマスティング現象等である。
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