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2013 年度 実施状況報告書

鳥類の受精と発生に必須なスパイラルオシレーションの作動機序と多精受精における役割

研究課題

研究課題/領域番号 25660211
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関静岡大学

研究代表者

笹浪 知宏  静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80322139)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード卵子活性化因子 / 精子 / 卵子 / 受精 / カルシウム波 / 多精受精
研究概要

動物卵は、精子の侵入後、細胞質内Ca2+上昇を引き起こすことで卵子活性化と胚発生を開始する。卵細胞質内Ca2+を上昇させる精子由来卵子活性化因子(sperm-borne oocyte-activating factor: SOAF)として、哺乳類ではphospholipase Czeta(PLCZ)が、イモリではcitrate synthase(CS)がそれぞれ単離されている。一方、ウズラ卵では、精子抽出物(SE)の投与によって、一過性のCa2+上昇とその後に他動物では観察されない螺旋状のCa2+波が誘起されることが分かった。このCa2+波をスパイラルCa2+オシレーションと命名した。またSOAFの一つとしてPLCZが同定されたが、これは一過性のCa2+上昇にのみ関与することが分かった。本研究ではスパイラルCa2+オシレーションを誘起する新規ウズラSOAFを同定することを目的とした。
Superdex 200 pgを用いたカラムクロマトグラフィーにより分子量30-90 kDa付近にスパイラルCa2+オシレーションを誘起する成分が含まれていることが分かった。さらにSDS-PAGEおよびLC-MS/MS解析によって7個の候補タンパクが同定された。さらにこのうち2つの候補タンパクをウズラ卵に同時投与すると、スパイラルCa2+オシレーションが誘起されることが分かった。またこれらのタンパクに対する抗体で処理したSEをウズラ卵に投与すると、どちらの抗体処理によってもスパイラルCa2+オシレーションが消失したことから、これら二種類のタンパクが、スパイラルCa2+オシレーションを誘起する新規SOAFであることが分かった。
ウェスタンブロッティングによって新規SOAFの発現解析を行なった結果、両タンパクともに精子特異的なアイソフォームとして存在していることが分かった。またアミノ酸配列をもとに設計したプライマーを用いたcDNAクローニングの解析結果から、双方ともに精子細胞特異的な塩基配列を有していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

鳥類の受精時に起こるスパイラルCa2+オシレーションを誘起する新規ウズラSOAFを同定することに成功し、鳥類に特異的な受精システムを明らかにしつつある為。

今後の研究の推進方策

スパイラルCa2+オシレーションが受精時に果たす役割を明らかにするとともに、受精~孵化までの過程を完全に体外で再現するシステムを確立する。これを用いて、遺伝子導入鳥類、クローン鳥類の作出を目指す。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] ウズラの胚発生に必須な卵細胞質内Ca2+波の動態解析2014

    • 著者名/発表者名
      水島秀成、檜山源、柴小菊、稲葉一男、小野珠乙、島田清司、笹浪知宏
    • 学会等名
      日本家禽学会春季大会
    • 発表場所
      筑波大学(つくば市)
    • 年月日
      20140329-20140329
  • [学会発表] 顕微授精法を応用したトランスジェニック およびクローンウズラ胚の作出2013

    • 著者名/発表者名
      水島秀成、檜山源、小野珠乙、島田清司、笹浪知宏
    • 学会等名
      第1回ウズラ研究会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋市)
    • 年月日
      20131210-20131210
  • [学会発表] ウズラの受精における精子核の動態に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      久枝雅広、笹浪知宏、檜山源、水島秀成
    • 学会等名
      日本畜産学会第117回大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟市)
    • 年月日
      20130909-20130910
  • [学会発表] リゾレシチンによる精子処理がGFP発現ウズラ胚の発生能に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      水島秀成、仲西宏樹、檜山源、柴小菊、稲葉一男、小野珠乙、笹浪知宏
    • 学会等名
      日本畜産学会第117回大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟市)
    • 年月日
      20130909-20130910
  • [学会発表] 胚盤葉細胞核を用いたクローンウズラ胚の作出2013

    • 著者名/発表者名
      松本拓也 、笹浪知宏 、小野珠乙 、檜山源 、水島秀成
    • 学会等名
      日本家禽学会秋季大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟市)
    • 年月日
      20130907-20130908
  • [学会発表] ウズラの新規卵子活性化因を利用した GFP 発現顕微授精胚の作出2013

    • 著者名/発表者名
      水島秀成 、檜山源 、柴小菊 、稲葉一男 、小野珠乙 、笹浪知宏
    • 学会等名
      日本家禽学会秋季大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟市)
    • 年月日
      20130907-20130908

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公開日: 2015-05-28  

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