鯨偶蹄目に属する各種家畜の疾病と,血液以外の各種体液(唾液、鼻粘液、尿、汗を含む皮膚付着物)中に含まれるリポカリンタンパク質bcOBP及びその類縁タンパク質発現量との関連を明らかにし,バイオマーカーとしての利用可能性を検証した.乳房炎などの諸症状を示す泌乳牛,雌ヒツジ,雌ヤギから採集した唾液,鼻粘液,尿,汗を含む皮膚付着物中のbcOBP及びその類縁タンパク質発現量は,健常個体から採集した体液試料中の発現量と有意差は認められず,bcOBP及びその類縁タンパク質の発現変動をこれら疾病のバイオマーカーとして用いるのは困難であることが明らかとなった.
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