研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は獣医学領域で重要な問題となっているベクター媒介性原虫疾患に着目し、申請者が開発した、ゲノムワイドな機能的変異体原虫作製技術を応用した新規実験系により、病原体のベクターに対する感染性を規定する因子を網羅的に同定し、原虫のベクター感染メカニズムを包括的に解明することを目的とするものである。ベクター媒介性感染症の制御においては、ベクター側の対応に重点を置く必要が有る。そこで申請者は、本申請による研究を基盤とし、新たな概念に基づくベクターステージ病原体を対象とした感染症制御システムの提唱を目標として研究を実施した。研究計画は以下の記載のとおり、実施した。ベクター高感染性原虫群の性上解析と遺伝子座の同定ゲノムDNAを抽出し、遺伝子型の解析により染色体への導入の確認を行った。また、インバースPCR法とその塩基配列解析により、遺伝子座の同定を行った。さらに、mRNAを抽出、リアルタイムPCR法による解析で、前述の実験により明らかとなった遺伝子の転写レベルを測定した。これらの変異体原虫のクローニングを行い、更なる詳細な解析を行ったところ、変異導入部位は10箇所以下に集約されることが明らかとなった。現在、各遺伝子座における変異のベクター感染性への関与の詳細を解析中である。
2: おおむね順調に進展している
当初の期待と同程度の進捗および結果が得られており、順調に研究が進展していると考えられるため。現在までに得られた結果を基盤とし、当初の年次計画に従い遂行する。
現在までに得られた結果を基盤とし、当初の年次計画に従い遂行する。
変異体スクリーニングの実施の結果、スクリーニングプロセスが予想以上に効率的に実施できたことが明らかとなり、ターゲット遺伝子座を想定より少数に絞り込むことに成功したため、各解析に必要となる経費の節約がなされたため。物品費、人件費等に主に充当予定である。また、本研究計画の更なる発展のため、新たなスクリーニング系の実施と解析への充当も予定している。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)
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