研究課題/領域番号 |
25660227
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大浜 剛 山口大学, 獣医学部, 准教授 (50579018)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | オートファジー / アポトーシス / Beclin 1 / 脱リン酸化酵素 |
研究概要 |
発生や発がんにおいて重要な役割を果たすプログラム細胞死は、主にアポトーシスを用いて実行されていると考えられてきた。しかし近年、プログラムされた細胞死のなかには、オートファジー細胞死などの非アポトーシス細胞死が存在し、アポトーシス機構が機能しない場合でも、細胞はオートファジー機構を活性化することで細胞死を誘導することが明らかになってきた。アポトーシスとオートファジーは相互に抑制し合うことが知られており、本研究は、細胞にはアポトーシス経路とオートファジー経路のどちらへ進行するかを制御する機構(ターンアウトスイッチ/分岐器)が存在との仮説のもと、その分子機構の解明を行うことを目的にオートファジーとアポトーシスの双方を制御するBeclin 1と脱リン酸化酵素Protein Phosphatase 6(PP6)の相互作用に着目し研究を遂行している。 本年度は、Beclin 1の新規リン酸化サイトを同定し、その特異的抗体を作成した。作成した特異的抗体を用いて、Beclin 1のリン酸化がマウス生体および培養細胞において飢餓刺激や栄養刺激によって変化することを確認した。また、上流のリン酸化酵素を阻害剤およびin vitroのキナーゼアッセイにより同定した。さらに、Beclin 1リン酸化サイトの変異体を用いた検討から、この新規リン酸化サイトのリン酸化がオートファジーを抑制すること、およびその分子機構を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、項目A「PP6の発現変化がBeclin1複合体の構成と局在を変化させる分子機構の解析」と項目B「PP6がBeclin1から解離する分子機構の解析」の2項目を研究項目として立てたが、項目Aについてはすべて達成し、かつ次年度の研究計画に記載した事項についても研究を開始している。項目Bについては、結合因子の同定において対照となる変異体の作成に時間がかかっており、当初の予定より遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究は概ね順調に進んでおり、本年度はオートファジーに関連する論文を1報投稿した。未だ採択はされていないため、今後は追加実験を行うことで論文の採択につなげたい。また、アポトーシス関連の仕事については、変異体の作成を終了させ、当初研究計画に追い付きたい。
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