研究課題
発生や発がんにおいて重要な役割を果たすプログラム細胞死は、主にアポトーシスを用いて実行されていると考えられてきた。しかし近年、プログラムされた細胞死のなかには、オートファジー細胞死などの非アポトーシス細胞死が存在し、アポトーシス機構が機能しない場合でも、細胞はオートファジー機構を活性化することで細胞死を誘導することが明らかになってきた。アポトーシスとオートファジーは相互に抑制し合うことが知られており、細胞にはアポトーシス経路とオートファジー経路のどちらへ進行するかを制御する機構(ターンアウトスイッチ/分岐器)が存在すると考えられるが、その分子機構は明らかになっていない。本研究ではアポトーシスとオートファジーの双方の制御に関与するBeclin 1に着目し、本年度は我々が同定した新規リン酸化サイトの制御機構についての解析を行った。その結果、マウスを飢餓状態にした際に、骨格筋において当該リン酸化サイトのリン酸化レベルが上昇することが明らかになった。さらに我々は、このリン酸化サイトがBeclin 1とAtg14Lとの結合を促進することでオートファジー活性を上昇させることを確認し、当該リン酸化サイトを制御するリン酸化酵素キナーゼと脱リン酸化酵素ホスファターゼを明らかにした。一連の研究成果については現在論文投稿中である。
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Journal of Veterinary Medical Science, 76(9):1235-40.
巻: 76(9) ページ: 1235-40
10.1292/jvms.14-0209