研究課題
プリン核酸アナログ化合物であるmizoribine 5'-monophosphate(MZP)について反応速度論的解析を行い,T. bruceiおよびヒト組換え型GMPRに対するIC50値を求めたところ,TbGMPRでは23.7 uMであったのに対し,ヒトGMPR1およびGMPR2では各々119.9および69.3 uMという結果を得た。これらの結果から,従来のTbGMPR阻害剤であるribavirin 5'-monophosphate(RMP)と比べて,MZPは各種のGMPRに対して高い阻害効率を示すが,種間における選択性の面ではRMPよりも劣ることが判明した。また,血流型T. bruceiの培養系において,RMPの前駆物質であるribavirin が抗原虫作用を有することが明らかとなり, IC50値は25 uMであった。これらの結果をまとめ,2014年度までの成果とともに,PLOS Neglected Tropical Deseasesへ論文を発表した。一方,立体構造を基にTbGMPR阻害剤を開発するためには,基質であるGMP,あるいはNADPHが結合した酵素複合体の立体構造情報が必要である。活性部位での基質を観察するために,触媒残基であるCys318をAlaに置換することで触媒活性を欠失させた活性欠失変異体を作製した。結晶化条件の探索を行った結果,結晶化母液に0.1 M Tris-HCl(pH8.5),2 Mリン酸アンモニウムを用い,温度4℃におけるsitting drop蒸気拡散法により構造解析に適した結晶を得ることに成功した。SPring-8 BL38B1において,分解能2.4ÅでX線回折データを収集し,天然型酵素をサーチモデルとした分子置換法で構造モデルを構築することができた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
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