犬の慢性心不全による肺高血圧症(PH)に対する血小板由来成長因子の阻害活性を持つ分子標的薬の有効性を調べる目的で、PHラットモデルにおけるイマチニブを含む分子標的薬の肺血管リモデリングの抑制効果と右室肥大の改善効果を検討した。その結果、イマチニブとスニチニブは肺血管リモデリングの抑制を介してPHを改善することが示唆された。次に、犬慢性心不全によるPHに対する低用量イマチニブ治療の有効性を臨床徴候と各種循環パラメータにより評価したところ、標準的治療に低用量イマチニブを追加投与することによりPHを有意に改善でき、イマチニブはPHを示す慢性心不全犬の治療薬として有効であることを明らかにした。
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