本研究では、マウス初期胚の次世代シークエンサー解析から得られた一本鎖の非コードRNA(ncRNA)について、ゲノム配列特異的エピジェネティクス変換に係る機能性を解析し、これを基礎として、RNAを利用した人為操作胚の質的向上に向けた知見を得ることを目的とした。これまでは、遺伝子発現をOFFにするncRNAはよく知られていたが、本研究によりDNA脱メチル化などを介して遺伝子ONに働くncRNAを1000以上同定することに成功した。インターロイキン17d遺伝子その他5つのpancRNAについては、遺伝子の発現を介して細胞増殖・アポトーシス抑制・細胞運命決定に確かに機能することまで明らかにした。
|