マウスの妊娠は、雌マウスが交尾した雄マウスのフェロモン情報を副嗅球で記憶することで維持される。本研究では、特定の刺激で活性化した細胞を追跡できるGFP-GluR1c-fosTgマウスや、特定の刺激で活性化した細胞を時期特異的に抑制できるDREADDs-Gic-fosTgマウスを駆使して副嗅球のフェロモン記憶細胞を探索した。結果として、副嗅球の顆粒細胞層尾側に、交尾時および交尾雄マウス再会時の両方で活性化する細胞群が存在した。また、交尾時に活性化した副嗅球顆粒層尾側の細胞群を雄マウス再会時に抑制すると、交尾雄マウスとの再会でも流産した。副嗅球顆粒層の尾側にフェロモン記憶細胞の存在が示唆された。
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