研究課題/領域番号 |
25660265
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
新美 輝幸 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (00293712)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 性決定カスケード / doublesex |
研究実績の概要 |
本研究では、昆虫のみが獲得した昆虫特異的な分子メカニズムとして、性特異的スプライシングが中心的な役割を果たす性決定カスケードに着目した。これまでに行われた甲殻類と完全変態昆虫を用いた研究から、doublesex(dsx)遺伝子の性特異的なスプライシング調節の起源は、これらの系統間に存在することが予想された。本研究では、申請者が無変態昆虫のマダラシミ(Thermobia domestica)において確立した遺伝子機能解析法を背景に、重要な系統に位置する各種昆虫のdsx遺伝子を解析することにより、昆虫に特異的な性決定メカニズムの進化的起源の解明に挑戦する。 今年度は、昨年度dsx cDNAの部分配列のクローニングに成功した甲殻類のオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)、無変態昆虫のマダラシミ(Thermobia domestica)、不完全変態昆虫のコオイムシ(Appasus japonicus)、レッドローチ(Blatta lateralis)、フタホシコオロギ(Gryllus bimaculatus)について全長cDNAのクローニングを試みた。その結果、マダラシミとコオイムシについてはクローニングに成功し、塩基配列を決定した。この結果に基づき、dsxのクローニングを行う昆虫種を決定した。 また、dsxのRNA干渉(RNAi)法を行う際には、いずれの昆虫においても雌雄鑑別法の確立が必要不可欠である。そこでまず、マダラシミについて解析個体数を増やして雌雄鑑別法を確立することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
事前準備段階で検討したマダラシミの雌雄鑑別法に基づき、RNAi解析を行う予定であったが、メスの形質の指標としていた形質が極めて希ではあるがオスにも現れることが判明したため。
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今後の研究の推進方策 |
マダラシミの解析個体数を増やして再度雌雄鑑別法を確立し、dsxのRNAi解析を速やかに行う必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に事前準備段階で検討したマダラシミの雌雄鑑別法に基づき、RNAi解析を行う予定であったが、メスの形質の指標としていた形質が極めて希ではあるがオスにも現れることが判明したため。
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次年度使用額の使用計画 |
RNAi解析を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとした。
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