我々は遺伝子組換え技術を用いて、クモの牽引糸タンパク質をコードする遺伝子をカイコに導入し、カイコシルクの強度と弾性を向上させることに成功した。その強度及び弾性をさらに向上させるべく、本研究において、オニグモの牽引糸タンパク質をコードする遺伝子の全長配列を獲得することを目指した。 クモ糸の遺伝子は、長鎖かつ反復配列が多いという特徴があるので、本研究では通常のクローニング法とは異なる手法を用いた。その結果、1kb弱の遺伝子が得られたが、目標とする10kb超には至らなかった。今後、本研究で用いた実験システムを用いて、より長鎖の遺伝子を獲得していく予定である。
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