| 研究課題/領域番号 |
25660271
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| 研究機関 | 国立感染症研究所 |
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研究代表者 |
伊澤 晴彦 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (90370965)
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| 研究分担者 |
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 部長 (10215923)
油田 正夫 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90293779)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | ウイルス / 感染症 / ゲノム / 昆虫 / 進化 |
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| 研究実績の概要 |
近年，様々な真核生物のゲノムに，レトロウイルス以外のRNAウイルスに由来する遺伝子配列が内在化していることが明らかとなり，その機能と生物進化における意義が注目されている．最近我々は，蚊から分離発見した新規ラブドウイルスであるコガタアカイエカラブドウイルスの遺伝子解析の過程で，本ウイルスのヌクレオプロテイン(N)遺伝子と高い相同性を示す遺伝子が，蚊のゲノムに内在化していることを見出した．本研究では，蚊のゲノムに内在するラブドウイルス様ヌクレオプロテイン (ERLN) 遺伝子の構造と機能を解明することを目的とした．
まず，様々な蚊におけるERLN配列の有無ついて調査した結果，イエカ属蚊のネッタイイエカ，アカイエカ，チカイエカの一部の系統においてERLN遺伝子の存在を確認した．これらERLN配列の構造と分布を調べたところ，ERLN配列が検出された蚊種または系統すべての個体がERLN遺伝子を完全な形で保持しているのではなく，蚊系統または個体によってゲノム上の遺伝子構造や配列相同性が異なる可能性が示唆された．
つぎにERLN遺伝子を保有する蚊個体を用いて，ERLN遺伝子に由来する転写物を調べた．その結果，蚊成虫体内おいてERLN遺伝子からの転写物と考えられるRNAの存在が確認されたが，今回調べたネッタイイエカとチカイエカいずれの系統においても，当該蛋白質遺伝子がコードされる方向とは逆であるアンチセンス鎖側に相当するRNAのほうがより多く転写されていることが示唆された．
検出されたERLN遺伝子について，ラブドウイルスN蛋白質コアモチーフのアミノ酸配列に基づいた分子系統解析を行った結果，これらイエカ属蚊ゲノムへのERLNのインテグレーションは比較的最近起こったことが推察された．
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