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2014 年度 実績報告書

酸素濃度調節による無農薬害虫防除への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 25660276
研究機関千葉大学

研究代表者

大山 克己  千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 特任准教授 (20456081)

研究分担者 天野 洋  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00143264)
鈴木 丈詞  茨城大学, 農学部, 研究員 (60708311) [辞退]
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード酸素 / 無農薬 / 防除 / ハダニ類
研究実績の概要

本研究では、無酸素処理による苗の無農薬害虫防除法に資するために、無酸素処理時間が害虫および苗の生存率におよぼす影響を把握し、苗の生育を阻害することなく害虫を死に至らしめる(防除する)方法を明らかにすることを目指した。ここでは、2種類のハダニ(波ハダニおよびカンザワハダニ)の休眠および非休眠雌成虫を用いて実験し、生存率を求めた。さらに、卵についても無酸素処理をして、孵化率を求めた。
平成25年度では、ナミハダニ雌成虫の生存率および卵の孵化率におよぼす無酸素処理の影響を調べた。無酸素処理を12時間以上とした場合、ナミハダニ雌成虫の生存率は0%となり、また、卵の孵化率も0%であった。ただし、雌成虫は休眠する(越冬状態に入る)と、無酸素処理時間を24時間とした場合でも、生存率は0%とはならなかった。これらを総合的に判断すると、ナミハダニの無酸素処理による防除のためには、12時間以上の無酸素処理時間を与えるか、休眠状態の雌成虫が苗に付着している場合には、一旦それを打破した上で12時間以上の無酸素処理時間を与える必要があると判断された。なお、カンザワハダニにおいても同様の結果が得られている。
平成26年度では、インゲン苗およびイチゴ苗に無酸素処理を実施して、悪影響が見られないかを確認した。その結果、両者ともに与えた条件下すべてで葉にダメージが認められた。ただし、新たに展開する葉には、悪影響は認められなかった。今後、葉にダメージを与えることなく、または、それを軽減するような手法を開発すれば、無酸素処理による苗の無農薬害虫防除法が確立できるのではないかと考えた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Deoxidant-induced anoxia as a physical measure for controlling spider mites (Acari: Tetranychidae)2015

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, T., C.H. Wang, T. Gotoh, H. Amano and K. Ohyama
    • 雑誌名

      Experimental and Applied Acarology

      巻: 65 ページ: 293-305

    • DOI

      10.1007/s10493-015-9881-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 酸素処理による害虫防除および天敵分離技術の開発~成虫篇~2015

    • 著者名/発表者名
      王至弘・鈴木丈詞・北嶋康樹・後藤哲雄
    • 学会等名
      第59回日本応用動物昆虫学会大会
    • 発表場所
      山形
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-28

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公開日: 2016-06-01  

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