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2014 年度 実績報告書

植物気孔形態の可変性:何のために変化するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 25660277
研究機関名古屋大学

研究代表者

矢野 勝也  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00283424)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード気孔密度 / 窒素 / 二酸化炭素 / アンモニア態窒素 / 硝酸態窒素
研究実績の概要

植物は生育環境に応じて気孔形態(サイズ・密度)を変化させることができる。しかし、気孔形態が変化することにどのような意義があるのかについてはよくわかっていない。今年度の研究では、C3植物のイネとC4植物のソルガムを用いて、窒素形態や供給濃度を変化させたときにこれらの植物の気孔形態がどのように変化するのかを調査した。
異なるCO2濃度(低CO2が400ppm、高CO2が800ppm)と異なる施肥窒素の形態(アンモニア態窒素、硝酸態窒素)のもとで、イネ(Oryza sativa L. cv. 日本晴)とソルガム(Sorghum bicolor (L.) Moench. cv. Milosorghum)を育成した。300mLプラスチックポットに鹿沼土と各処理区の肥料を混和したものを詰め、そこにイネ(14日齢)とソルガム(9日齢)を移植し、人工気象器内で28日間生育させた。人工気象器内の環境は明期12時間30℃、暗期12時間25℃、湿度は常時60%に維持した。植物の窒素吸収量と蒸散量との相関を調査するために経時的に蒸散量を測定した。
イネでは供与する窒素濃度が高くなるほど気孔密度が減少した。この気孔密度の変化は、アンモニア態・硝酸態のいずれの窒素形態でも同様であり、同化速度が上昇するにつれて気孔の数が減少することを示唆した。一方ソルガムでは、窒素形態および供与濃度を変化させても気孔密度はあまり変化しなかった。CO2濃度を上昇させるとイネでは蒸散量が明らかに低下したが、ソルガムではほとんど変化しなかった。しかし、両植物ともにCO2濃度変化が気孔密度に与える影響は軽微であった。以上の結果から、C3植物のイネでは窒素供与レベルの増加に伴いバイオマスが増加すると気孔密度は減少する傾向を確認できたが、C4植物のソルガムはほとんど変化させないことがわかった。

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公開日: 2016-06-01  

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