最終年度は、原理的な確立には成功した、非天然アミノ酸に対する人工的栄養要求性による能動的封じ込め法の限界性能を引き出すための工夫を行った。 (1)高性能な翻訳スイッチへの置換:非天然アミノ酸導入系に正のフィードバック回路を導入することにより、スイッチの高性能化がはかれるか、フィージビリティスタディを実施したところ、有望な結果を得た。 (2)システムの多重化:エスケーパー発生率を抑えるために、ColE3-ImmE3とは別の毒素-抗毒素系ColD-ImmDによる封じ込め装置の併用をこころみた。しかし、ColD-ImmDによる封じ込め装置では、宿主大腸菌は死滅にいたらず、成長阻害をもたらすにとどまった。他の毒素-抗毒素系について、ひきつづき封じ込め装置の構築と性能の検定を進めている。
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