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2013 年度 実施状況報告書

キラルオニウムアミド触媒を用いる不斉分子変換反応開発

研究課題

研究課題/領域番号 25670002
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

根東 義則  東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90162122)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードオニウムアミド / アンモニウム / ホスホニウム / 芳香環 / 脱プロトン化 / キラル / 不斉変換 / 選択性
研究概要

キラルなオニウムアミドを触媒として芳香環上の不斉変換反応の開発を検討した。まず、天然のアルカロイドから容易に入手可能なキラルなアンモニウム塩から、トリストリメチルシリルアミンを用いてオニウムアミドを発生させ、ベンゾチアゾールと種々のカルボニル化合物への不斉1,2-付加反応を検討したが、高い不斉収率を得ることはできなかった。化学収率は比較的高いもののエナンチオ選択性が得られないことからアンモニウム塩では達成困難と判断した。そこで、オニウムとしてアンモニウムからホスホニウムへと置き換えて検討すべく、キラルなホスホニウム塩の合成を検討した。反応としては2-トリメチルシリルフェノールのトリフラートを用いてベンザインを発生させ、これとキラルなホスフィンとの反応によりホスホニウムへと変換する手法を用い、キラルなホスホニウム塩の合成を行うこととした。さまざまなキラルホスフィンを用いてキラルなホスホニウム塩が簡便に合成できることが分かった。このホスホニウム塩はトリフラート塩となっているので、フッ化物塩へと変換することを試みたが、現時点ではまだ最適な方法は見出されていないのでさらに検討を要する。一方、別の方法でオニウムアミドを発生させる手法の開発も検討しており、KHMDSとホスホニウム塩トリフラートを反応させることによりオニウムアミドが得られることが確認されたので、この手法を用いた脱プロトン化-不斉修飾反応についても検討した。まだ予試験的な段階であり不斉収率を確認するには至っていないが、新しいキラルホスホニウム塩の合成を簡便に行いうることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オニウムアミドを用いる不斉変換の試みとしてキラルなアンモニウムを用いた場合には高い選択性は認められなかったが、キラルなホスホニウムを用いることで解決できるものと考えている。キラルなホスホニウムについてはキラルホスフィンから容易に得ることができるので今後幅広く不斉変換を検討することができる。

今後の研究の推進方策

キラルなホスホニウムアミドを用いて芳香環の不斉変換を種々検討していくが、脱プロトン化による芳香族炭素アニオンの発生と並行して、芳香族ケイ素化合物あるいは芳香族ハロゲン化合物からの有機触媒的な炭素アニオン発生についても検討し、不斉変換への応用をキラルオニウムを用いて検討を進めていく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Organocatalytic functionalization of heteroaromatic N-oxides with C-nucleophiles using in situ generated onium amide bases2013

    • 著者名/発表者名
      Kiyofumi Inamoto, Yuta Araki, Shoko Kikkawa, Misato Yonemoto, Yoshiyuki Tanaka, Yoshinori Kondo
    • 雑誌名

      Organic & Biomolecular Chemistry

      巻: 11 ページ: 4438-4441

    • DOI

      10.1039/c3ob40782a

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Carboxylation of alkynylsilanes with carbon dioxide mediated by cesium fluoride in DMSO2013

    • 著者名/発表者名
      Misato Yonemoto-Kobayashi, Kiyofumi Inamoto, Yoshiyuki Tanaka, Yoshinori Kondo
    • 雑誌名

      Organic & Biomolecular Chemistry

      巻: 11 ページ: 3773-3775

    • DOI

      10.1039/c3ob40782a

    • 査読あり
  • [学会発表] 芳香族ハロゲン化合物のメタルフリー脱ハロゲン化反応2014

    • 著者名/発表者名
      中村亘佑、佐々木碧、吉川晶子、根東義則
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本大学黒髪キャンパス
    • 年月日
      20140327-20140330
    • 招待講演
  • [学会発表] 芳香族ケイ素化合物のカルボキシル化反応2013

    • 著者名/発表者名
      小林みさと、稲本浄文、根東義則
    • 学会等名
      第52回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス
    • 年月日
      20131020-20131020
    • 招待講演
  • [備考] 分子変換化学分野

    • URL

      http://www.tohoku.ac.jp/~henkan/lab/henkan_top.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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