ペプチドの人工触媒による配列特異的解裂は有機化学分野における長年の挑戦である。ペプチド中のセリン残基のアミドNH基選択的なBoc化を検討する過程で、セリン残基が特異的に除去されるペプチド短縮反応を見いだした。反応機構解明に向けた検討を行い、以下の成果を得た。1)Boc-N-Val-Ala-Ser-Ala-ORのテトラペプチドを用いて触媒を精査し、L-beta-naphthylalanine 側鎖を持つPPY型触媒に特異的なペプチド切断反応であることがわかった。2) 異なる2種類のテトラペプチドを用いるcross over実験から、このペプチド切断-再結合が分子内反応で進行することがわかった。
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