置換芳香族スルホンアミドおよび関連化合物を対象に、不斉結晶化を示す化合物の探索、構造解析、分子間相互作用と不斉結晶化現象との関連について検討を行った。その結果、広義、狭義の水素結合やハロゲン相互作用などの分子間相互作用が結晶構造に与える影響について重要な知見が得られた。すなわち、結晶化によって光学活性が自然発生する不斉結晶化現象は、分子間相互作用の種類・数、およびその分子間相互作用を示す官能基を空間的に配置し、かつ空間を効率的に埋める分子の形と密接な関係があることが明らかとなった。これらの成果は、結晶化におけるキラリティー発生の起源を探るための重要な知見になると考えられる。
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