研究課題
近年、ヒトを含む哺乳類において光学異性体であるD体の存在が明らかにされ、新規機能分子・疾病マーカーとして期待されている。一方、現在のアミノ酸分析装置はD体とL体を区別できず、光学異性体を区別するアミノ酸メタボローム分析法、特にその高性能化の鍵となる「高理論段かつ微小内径の高性能マイクロキラルカラム」の開発が切望されている。平成26年度は、平成25年度の検討結果から、最適なキラルセレクターとして3,5-ジニトロフェニルロイシンを用い、内径1.5mmの高理論段カラムについて再現的作製を行うと共に、1mm以下の微小内径を有するマイクロキラルカラムを設計・作製した。併せてオリジナルで設計・合成した高い光学認識能を有するキラルセレクター各種を高性能シリカゲル素材、微粒子型基材などに修飾することで光学認識能と理論段の向上を行った。その結果、内径1.5mmの高性能キラルカラムについては、N=5で再現性を検討した結果、溶出時間ならびに光学分割のいずれもRSD5%以下の良好な結果が得られた。特に充填剤の原料となるアミノプロピルシリカを再現的に自作する必要性が示された。内径1mmのカラムについては内径1.5mmのカラムと比較してほぼ同等の光学分割能、理論段数が得られ、実用上十分に使用可能な高性能カラム作製に成功した。また、上記で設計したキラル固定相を用いて哺乳類内在性全アミノ酸の光学分割を試みた結果、タンパク質構成全アミノ酸にスレオニンとイソロイシンのアロ体を加えた21種について、良好な光学分割を達成した。
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