バイオ医薬の経口吸収改善技術の開発が困難を極める要因として、技術の安全性と消化管内の希釈による技術の機能低下が挙げられる。我々は、薬物と吸収促進剤が共存するコアーシェル型腸溶性微粒子を設計し、エレクトロスプレー法により同粒子を調製した。薬物と吸収促進剤が低分子有機化合物の場合、粒子化を通して両成分の消化管内動態を連動させることにより、吸収促進剤の効果は増強された。バイオ医薬のインスリンの経口吸収性はオリゴアルギニン固定化高分子により促進されたが、同効果は粒子化により低下した。処方成分間の相互作用が原因と考えられ、今後、処方の最適化が必要である。
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