SPNS2輸送体の機能を阻害することで副作用の少ない新しい免疫抑制剤の探索を目指し、阻害剤のスクリーニング系の構築を進めた。あらかじめ蛍光標識したS1Pは培養細胞では元々存在していた多剤排出輸送体の基質となってS1P輸送体とは関係なく放出されることを明らかにした。そこで、培養細胞を用いたSPNS2依存的なS1P放出の簡便な検出のために、Alkyn-スフィンゴシンの合成を進め、クリック反応によって水溶液中であれば蛍光を用いてμM程度の検出感度で検出できることを見いだした。今後は、これらの系を実際のS1P輸送阻害剤の探索に用いられるように改良を進め、新しい薬の開発を目指す。
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