研究課題/領域番号 |
25670028
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80243252)
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研究分担者 |
山本 剛史 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80636994)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / ノンコーディングRNA / アンチセンス医薬 / マクロファージ / 分化 |
研究概要 |
本研究は、既に形成してしまった動脈硬化の縮退を目的として、動脈硬化形成過程で中心となるマクロファージの極性化・泡沫化に関与する長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)の探索を行うものである。本年度は、まずマウスより単球やマクロファージの単離を試みた。C57Bl/6J雄マウスの後肢の筋肉組織を剥離し、大腿骨を取り出し、骨髄マクロファージを回収した。L929細胞の培養上清に含まれる成長因子M-CSFを用いてM0型マクロファージへ分化誘導を行った。M0型フェノタイプを確認するために、蛍光免疫染色によりCD11bなどのフェノタイプマーカーを染色し、フローサイトメーターによる解析を進めている。他方でM1型への誘導を行うために、LPS(リポポリサッカライド)とIFN-γ(インターフェロンガンマ)を用いてこれらのマクロファージを刺激し、他方で、M2型への分化を目的としてIL-4(インターロイキン4)を用いた分化を行った。M1型およびM2型への変換を確認するためにフェノタイプの確認を行うとともに、M1型からM2型への極性転換に伴って変動する既知のlncRNAをPCRアレイを用いて解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、計画通りマウスより骨髄マクロファージを単離し、M0型、M1型、M2型のそれぞれへの分化誘導や極性転換を行い、フェノタイプの確認を行った。他方で、泡沫化細胞の作成に向けた酸化LDLの調製なども可能となり、泡沫化細胞への分化誘導を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
マウス骨髄単球マクロファージから得られたM0型、M1型、M2型それぞれの細胞のフェノタイプの確認を行った後に、各細胞からtotal RNAを回収し、lncRNAのPCRアレイを用いて定量RT-PCRを行うことにより既知lncRNAの変動を確認する。同様にマイクロアレイを用いた包括的なlncRNAの探索を行い、変動するlncRNAについてアノテーションデータベースなどを利用して機能を予測・検索する。さらにlncRNAの機能阻害を目指し、アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計し、in vitroトランスフェクションによりフェノタイプの変化を確認する。
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