本研究では、機能未知のPLA2サブタイプであるPNPLA7がリゾホスファチジルコリン (LPC)→グリセロホスホコリン(GPC)の代謝を担うリゾホスホリパーゼとして働くことを見出した。リゾホスホリパーゼは従来、細胞膜溶解性のLPCを消去する解毒酵素として認識されており、その実体やGPC産生酵素としての意義は着目されていなかった。本研究は、申請者が独自に樹立したPNPLA7欠損マウスを解析した。その結果、PNPLA7は膜リン脂質からのGPCの産生を通じて肝臓のコリン・メチオニン代謝を制御する重要な分子であることを明らかにした。本研究は,リゾホスホリパーゼの生理的意義を解明した初めてのものである。
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