研究課題/領域番号 |
25670042
|
研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 教授 (90169219)
|
研究分担者 |
米山 雅紀 摂南大学, 薬学部, 准教授 (00411710)
芝 達雄 九州保健福祉大学, 薬学部, 助教 (00634958) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 難聴 / 内耳 / ギャップ結合 / カルベノキソロン / 平衡感覚異常 / 薬理学 |
研究実績の概要 |
【方法】Std-ddY 雄性マウス内耳後半規管を露出し、マイクロシリンジポンプを用いてギャップ結合阻害剤カルベノキソロン(1~50 mM)を1 μL/minの速度で5 μL投与した。投与1日後および7日後に4、12、20 kHzの周波数について聴性脳幹反応を用いて聴力を測定した。平衡感覚を解析する目的で、尾懸垂試験を行った。また、投与7日後にファロイジン染色法により内耳蝸牛および前庭の有毛細胞障害を検出した。【結果】対照群では手術後少なくとも7日まで聴力変動は認められなかったが、カルベノキソロン投与群では、4、12、20 kHzの全ての周波数において濃度依存的に聴力の悪化が投与後1日にみられた。また、その聴覚障害は少なくとも7日まで継続した。しかしながら、投与後1日では、聴覚の受容器細胞である蝸牛有毛細胞数およびその形態に変化は認められなかった。また、尾懸垂試験において、カルベノキソロン投与群では投与後1日以降で著しい異常な回転行動が観察された。しかしながら、投与後1日では平衡感覚の受容器細胞の前庭有毛細胞数およびその形態に変化は認められなかった。また、異常行動は少なくとも投与後7日まで継続した。【考察】内耳のギャップ結合の破綻は、有毛細胞死非依存的に聴覚障害および平衡感覚障害を起こすことが明らかとなった。したがって、内耳内ギャップ結合は、内耳機能に必須であることが示唆される。
|