音響外傷性難聴動物モデルにおいて、蝸牛外側壁線維細胞のギャップ結合構成蛋白質コネキシンの細胞内局在変化および分解が酸化ストレスを介して惹起されることを見いだした。コネキシンの分解消失が有毛細胞障害に先立って起こる知見は、蝸牛外側壁線維細胞の酸化ストレスによる内耳内イオンバランスの破綻が有毛細胞障害の原因の一つであることを示唆するものである。さらに、カルパインの活性化がコネキシンの細胞内局在変化と分解を誘発することを明らかにした。このように、感音難聴の発症機序の一つに酸化ストレスによるカルパインの活性化が関与することが推察される。
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