研究課題
研究代表者がNocardia属の病原性放線菌より単離したブラシリカルジンAは、アミノ酸輸送体の一つであるSystem L(type-1)に作用し、強い免疫抑制活性を示すことが明らかになっている。また、アミノ酸輸送体は抗腫瘍剤の分子標的としても注目されている。本研究では、ブラシリカルジンAをリード化合物とした構造活性相関ならびに天然物ライブラリーからの新たな阻害物質の探索を行い、System L(type-1)を分子標的とする新しいタイプの抗腫瘍剤および免疫抑制剤の開発を目的としている。本年度は、次世代シーケンス解析によりブラシリカルジンA生合成遺伝子と類似の遺伝子を持つことが明らかになっているNocardia属放線菌2株について生産する成分を調べた結果、ブラシリカルジンAを生産していることが明らかになった。新たなブラシリカルジンA関連化合物を得ることはできなかったが、ブラシリカルジンAおよび既知のブラシリカルジンA関連化合物を用いてアナログ体の調整を行った。また、化合物ライブラリーの拡充を目的に、広範な生物資源を素材として新規生物活性物質の探索を行った結果、Agelas属の海綿から新規ブロモピロールイミダゾールアルカロイドを13個、Halichondria属の海綿から新規セスキテルペンを5個、Plakortis属海綿から新規オキシリピンを3個、Triadenum属植物から新規メロテルペンを6個、それぞれ単離、構造決定した。これらの化合物について新規System L 阻害物質の探索を行ったが、ブラシリカルジンAより強い活性を示す化合物は得られなかった。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 謝辞記載あり 12件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (19件)
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