クルクミンは、低毒性で多様な生物活性を示す食用植物成分である。当研究室では、クルクミンよりも低濃度でがん細胞増殖阻害活性を示すbis(arylmethylidene)acetone型アナログ(C5-クルクミノイド)を見出し、創薬化学研究を展開している。今回、C5-クルクミノイドのファルマコフォアとなっている交差ジエノン部がチオール類と可逆的Michael反応を行うことを見出し、1H-NMRで観測・実証した。さらに本反応を活用してチオール付加型プロドラッグを合成して評価した結果、高い抗腫瘍活性を維持しつつ水溶性を有するプロドラッグを創製することに成功した。
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