研究課題/領域番号 |
25670053
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 稔 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (70526839)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 創薬化学 |
研究概要 |
本研究ではふたつの柱を軸に、多重薬理により抗HCV作用を有する化合物の創出を目指した。 ひとつめの柱は、HCV由来タンパク質の阻害活性と減少作用を同時に示す化合物の創出である。減少活性を強くするために、リガンドの構造展開を実施し、新規骨格のリガンドを設計・合成した。 ふたつめの柱は、ホスト側のタンパク質制御である。ウイルス由来タンパク質を阻害するアプローチと比較して、ホストのタンパク質を制御した方が、薬剤耐性化の面からは有利であると考えていた。ごく最近報告された、核内受容体リガンドの抗HCV効果に着目し、ホスト側のタンパク質に対して多重薬理作用を有する化合物の創製を目指す取り組みも開始した。そして、抗HCV活性が期待できる核内受容体に対するリガンドを複数創製した。特出すべき点として、SREBP, FAS, IL-6, TNFαを同時に低下させる可能性のあるユニークなLXRリガンドが得られた。即ち、本リガンドが、LXR拮抗作用とLXR transrepression作用を併せ持つプロファイルを有していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HCV由来タンパク質の減少活性を強くするアプローチに関しては、現在のところ成功していない。一方で、ホスト側のタンパク質を多重薬理的に制御するアプローチに関しては、LXR拮抗作用とLXR transrepression作用を併せ持つプロファイルを有している化合物などが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
ふたつめの柱である、ホスト側のタンパク質を多重薬理的に制御するアプローチに関して、引き続き検討を行う。特に、SREBP, FAS, IL-6, TNFαなどを同時に低下させる可能性のある化合物(LXR拮抗作用とLXR transrepression作用を併せ持つ化合物)について、各遺伝子量を測定し、抗HCV作用を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ひとつめの柱の研究が、期待通りに進行しなかったことから、購入予定であった試薬代を本年度に使用することがなかったため。 ふたつめの柱の研究が順調に遂行できているため、こちらの研究に注力し、アッセイキットなどを購入する予定である。
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