本研究は、血液脳関門(blood-brain barrier, BBB)を介した認知症防御物質の供給輸送機構及び病態によって質的量的に変化するBBB機能の分子機構を解明することによって、認知症予防に向けた学術的な基盤を構築することを目的とした。具体的には、認知症防御物質として多価不飽和脂肪酸のヒトBBB輸送特性を解明し、その輸送活性化因子を同定した。さらに脳血管障害を伴う病態モデルにおいて、ヒト脳毛細血管内皮細胞におけるチャネルの関与する局在依存的な輸送機能特性を解明するとともに、モデルマウスのBBB輸送タンパク質の発現量の変動プロファイルを構築した。
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