薬剤性肝障害(DILI)は一部で過敏反応の関与が指摘されているが、DILI被疑薬検査とされるリンパ球幼弱化試験(LTT)では一部薬で疑陰性となる可能性がある。この弱点を克服するには薬物代謝活性と抗原提示能を兼ね備える肝細胞を系に添加することが必要である。そこで、全身に同じくDILIと関連するヒトHLAを発現する遺伝子組換えマウスを作出した。並行して、マウスから調製した初代培養肝細胞に一過性にDILIと関連するヒトHLAを任意に高発現させることが可能なアデノウィルスを構築した。従来のLTTにこれらヒトHLAを発現する肝細胞を組み合わせることで、より検出力に優れた検査が可能になると期待される。
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