研究課題/領域番号 |
25670069
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 康文 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80114502)
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研究分担者 |
佐藤 宏樹 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80451855)
三木 晶子 東京大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (80646323)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 離島 / 僻地 / 一般用医薬品 / 医薬品適正使用 / インターネット販売 |
研究概要 |
薬剤師が五島市内の全二次離島へ赴き、同意が得られた 16 歳以上の住民 252 人に対して、インターネットの使用状況や医薬品の購入・使用・保管状況、及び一般用医薬品情報の入手状況、更に郵便等販売規制に関して直接面談形式の調査を行った。回答者のうち、インターネット使用者は 7.5%、インターネットを介して一般用医薬品を購入したことがある者は全体の 0.8% と少数であり、二次離島居住者の 63.9% が一般用医薬品を使用していなかった。また、二次離島居住者の多くは一般用医薬品を使用していないが、一般用医薬品購入時には薬剤師等専門家による医薬品の説明や情報提供を必要としている者が多く存在していることが示唆された。モデル地域の二次離島の 12 か所の地域で「お薬説明会・相談会」を開催し、説明会前後における薬剤師や医薬品に対する認識、更に薬剤師に要望する点などのアンケート調査を実施した。説明会前のアンケートでは、薬剤師が何をするものかわからないとの回答が 29.7% と「薬剤師」を認識していないものが多かったが、説明会終了後には薬の説明は「薬剤師」と回答したものが 39.4% と「医師」(37.3%)よりも多かった。今後、薬剤師に期待することとして、薬剤師による医薬品に関する情報提供をあげる者が最も多いことも明らかとなった。本調査の結果から、二次離島居住者に対する「お薬説明会・相談会」を継続して実施することにより、二次離島居住者に「かかりつけ薬局・薬剤師」を持ってもらうことで、「かかりつけ薬局・薬剤師」を活用した離島・僻地地域居住者への医薬品適正使用につながると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モデル地域の薬局・ドラッグストア、薬剤師が存在しない二次離島における対面での聞き取り調査を終了した。モデル地域の二次離島の住民 252 人に対面調査を行い、12 か所の地域で「お薬説明会・相談会」を開催したが、1. 薬剤師が休日にしか二次離島に渡れないこと、2. 冬期は海が荒れるため二次離島に渡れず、実際は半年程度しか稼働できないこと、3. 距離的な問題もあり 1 日に多くても 3 島にしか渡れないことなど手間取ることが多く、今年度は一次離島住民に対する対面調査や都市部でのアンケート調査に関しては未着手となった。
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今後の研究の推進方策 |
1.離島・僻地住民における医薬品使用実態・医薬品への理解及び薬剤師へのニーズ調査。「薬局・ドラッグストア、薬剤師が存在しない離島」におけるお薬教室、アンケート等、「県内の都市部」におけるお薬教室、アンケート等、「薬局・ドラッグストア、薬剤師が存在する離島」におけるお薬教室、アンケート等を、長崎県薬剤師会の協力のもと推進していく。 2.全国の離島・僻地における医薬品適正使用における課題抽出と取り組み実態調査。全国の離島・僻地における薬剤師への医薬品適正使用における実態と問題点を調査、それ以外の地域における薬剤師への離島・僻地に対しての医薬品適正使用における実態と問題点を調査を、アイフィスを活用して推進していく。 3.1・2の結果を背景にして、離島・僻地における医薬品適正使用リスクコミュニケーションシステムの構築。離島薬剤師と都市部薬剤師、行政職員が一同に介して離島住民への医薬品情報の提供と医薬品適正使用推進サービスをどのように展開するかをスモールグループディスカッションを行い、問題点の抽出とその解決方策の立案を、長崎県薬剤師会の協力のもと推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)薬剤師が休日にしか二次離島に渡れないこと、2)冬期は海が荒れるため二次離島に渡れず、実際は半年程度しか稼働できないこと、3)距離的な問題もあり 1 日に多くても 3 島にしか渡れないことなど手間取ることが多く、今年度は一次離島住民に対する対面調査や都市部でのアンケート調査に関しては未着手となった。 実施状況報告書に記載した研究推進方策に記載したとおりに研究を推進することにより、当該年度に実施する予定であった研究計画を次年度に合わせて行うことで、当初計画どおりの使用を予定している。
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