小児では適正用量の不明な薬剤が多く大きな問題となっている。本研究では小児の用量設定を科学的に行う方法の整備を進めつつ、最終的には小児の臨床試験実施の困難を除くため、微量採血で薬物濃度評価が可能な方法の確立を目的とした。これまで微量を濾紙に採取し乾燥させた後に分析するDried blood spot (DBS)法は、採取血液量の正確性が乏しい、また全血中濃度となるため一般的な血清中濃度との比較が難しいとの欠点があったが。本研究では血液中の内因性物質を同時測定し薬物濃度を補正する方法を新規に開発した。その結果、5~20μL程度の微量の全血からでも血清中薬物濃度の正確な評価が可能となった。
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