研究課題
挑戦的萌芽研究
薬物輸送研究には薬物トランスポータを発現させた培養細胞などの発現系が汎用されるが、ヒト個体における発現量とは異なり、また多様なトランスポータを同時に発現させた生理的条件に近い系の確立は困難である。従って、ヒト腎臓における薬物の尿細管分泌の程度や各トランスポータの寄与率を、in vitro評価系から予測する方法が確立されているとは言い難い。医薬品開発において、前臨床試験段階で新規化合物の腎排泄(尿細管分泌)やトランスポータの寄与率を予測することは重要であるが現状では困難であり、その予測を可能にする新しいin vitro試験系の開発が望まれている。本研究では細胞接着性と増殖分化の関連性に着目し、ヒト腎由来の初代培養上皮細胞等の接着性を調節することによって、上皮細胞の分化や薬物トランスポータの発現変動を解析し、ヒト個体と同様の発現挙動を示すin vitro試験系を構築することを目的とする。本年度は研究代表者の所属が変わり、新しい研究室を立ち上げることとなったため、そのセットアップが中心となった。本研究に必要な細胞培養関連の機器、試薬等は概ね入手し、培養条件等の基礎的検討を進めている。
3: やや遅れている
本年度は研究代表者の所属が変わり、新しい研究室を立ち上げることとなった。機器、試薬等が全くない状態からのスタートであったため、そのセットアップが中心となってしまった。培養条件等の予備検討は進めており、本年度に研究計画を進展させる予定である。
平成26年4月より助教が着任し、研究を協力して進めることができる。また、研究室に学生が14名配属され、実験に熱心に取り組んでおり、研究計画を着実に進めることができるものと考えている。
本年度は研究代表者の所属が変わり、新しい研究室を立ち上げることとなったため、そのセットアップが中心となった。セットアップには別経費を主に用いており、研究計画遂行に必要な試薬等の購入を見合わせていたため、次年度使用額が生じている。平成25年度に予定していた研究計画と26年度の予定の研究計画を可能な限り平行して進める予定であり、必要な試薬等をまとめて購入するため使用する予定である。
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