表面に温度応答性高分子ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAAm)共重合体を修飾したカチオン性リポソームを作製した。リポソーム表面の固定水層厚(FALT)を測定し,細胞取り込み効率について評価した結果,PNIPAAmが親水性となる転移温度LCST以下ではPEG修飾リポソームと同様に表面に水和層が形成され,血清タンパクとの相互作用を回避でき,血中安定性が高くなる。一方,LCST以上ではPNIPAAmが脱水和して疎水性となるためFALTが小さくなり,細胞親和性が高くなり細胞取り込み効率が向上した。毒性も少なく遺伝子導入への応用も可能であった。
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