研究課題/領域番号 |
25670085
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
小田切 優樹 崇城大学, 薬学部, 教授 (80120145)
|
研究分担者 |
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
渡邊 博志 熊本大学, 薬学部, 准教授 (70398220)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | アルブミン / リポソーム / 骨髄指向性 / デリバリーシステム / 体内動態解析 / 薬力学的評価 / 抗がん剤 / 腫瘍治療効果 |
研究概要 |
本研究では、骨髄指向性リポソームを担体とした抗がん剤の骨髄デリバリーシステムの構築と悪性腫瘍の骨転移治療への臨床応用を最終目標に、①骨髄指向性リポソームへの薬剤-HSA 結合体の封入と、その物性、安定性及び薬理活性の評価、②健常動物における薬剤内封リポソームの体内動態解析などを解析して、以下の知見を得た。 1)エクストルージョン法により調製したLiposome-EPOに内包されたrHuEPOの生物活性をコロニーアッセイ法により解析した結果、リポソーム化によるrHuEPOの生物活性の変化は認められず、EPOは生物活性を保持していることが明らかになった。 2)健常ウサギLiposome-EPOを単回投与し、造血効果をrHuEPO単独投与と比較検討したところ、Liposome-EPOはrHuEPO単回投与では、薬理効果を示さないrHuEPO量(69IU/kg)でも造血作用を発揮すること、またEPOによる造血活性は少なくとも投与後7日目まで持続することが明らかになった。さらに、Liposome-EPO投与6時間後のrHuEPOの骨髄分布量は、rHuEPO単独投与群と比較して、明らかに増大した。 3)R18-Liposome-EPOのウナギ骨髄由来マクロファージ(BMDMφ)細胞への取り込み実験を行ったところ、R18-Liposome-EPOは骨髄細胞と比較しBMDMφ細胞により選択的かつ能動的に取り込まれることが明らかとなった。このことから、Liposome-EPOはの骨髄指向性に対する骨髄マクロファージの寄与が示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目的である抗がん剤封入リポソームの設計と評価に至るまでの研究をリポソームの調製に時間を要したために予想通り進展させることができなった。本年度はこれらの課題を克服すべく当初の目標を達成したい。
|
今後の研究の推進方策 |
本申請の計画通り順調に進展しているとは言い難いものの、薬物含有リポソームの調製には何ら問題もないことから、必要な場合には大学院生・卒研生を本プロジェクトに参画させ、当初の目的を達成したい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本研究の協力者の来日が、本人の都合により実現しなかったため。 研究協力者の来日費用に充当することを予定している。
|