研究課題
本研究では、骨髄指向性リポソームを担体とした抗がん剤の骨髄デリバリーシステムの構築と悪性腫瘍の骨転移治療への臨床応用を最終目標に、①骨髄指向性リポソームへの薬剤-HSA 結合体の封入と、その物性、安定性及び薬理活性の評価、②健常動物における薬剤内封リポソームの体内動態などを解析して、以下の知見を得た。1)エクストルージョン法により調製したLiposome-EPOに内包されたrHuEPOの生物活性をコロニーアッセイ法により解析した結果より、リポソーム化によるrHuEPOの生物活性の変化は認められず、骨髄へrHuEPOを効率的に送達できれば優れた造血効果を発揮できる可能性が示された。2)Invitroにおける細胞実験の結果から、本リポソームの骨髄指向性には骨髄マクロファージによる能動的な取り組みの関与が示された。すなわち、Liposome-EPOは骨髄マクロファージによって取り込まれた後、rHuEPOもしくは活性体を保持した分解物をマクロファージ細胞外へ放出し、それらがEPO受容体へ結合することで、造血作用を発揮しているものと推察された。3)作成した慢性貧血モデルウサギに対する貧血改善効果をLiposome-EPOとrHuEPO投与群で比較したところ、Liposome-EPOはrHuEPO単独投与では貧血改善効果を示さないrHuEPO量で貧血を改善することが明らかとなった。以上のように、Liposome-EPOは従来のrHuEPO製剤に比べ、その優れた骨髄移行性に基づき、より低用量で悪性貧血を改善することが明らかになった。
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