研究課題
現状の実験設備と実験条件下において精子幹細胞を含む精巣内移植実験には成功した。しかし、原試料を遠距離運搬してその日のうちに精巣内に微少注入(移植)するためにはさまざまの制約があった。特に制限された時間的で処理し移植することが最も不便であった。これを解消するため、本研究期間の途中に発表されたSTAP細胞方式で用いられた酸処理に伴う処理を行ったあとに移植を試みたが、自家蛍光を発した細胞が若干生存しただけであった。これまでの実験結果として、Muse細胞は長距離移動後の移植も可能であるが移植効率が下がるがことと、移植前の浮遊状態となる培地内時間を短時間にしてアルブミンに抜けば移植効率があがることは確認していたが、それでも現在の条件では移植後3ヶ月後には移植した精巣内のGFPシグナルはバックグランド程度になり、細胞が生存できなくなった。コントロール実験では生存できるため、Muse細胞が持つ遺伝子とこれまでに報告されているwild typeの始原生殖細胞、精子幹細胞あるいは精原細胞が持っている遺伝子の相違を検索した結果、Muse細胞は本来、精細胞系列の細胞が持っているキー遺伝子を少なくとも数種類は持っていた。しかし、これらの遺伝だけでは精細胞系列への分化誘導には不十分であった。これまでに試みたMuse細胞調整法では、精細胞系列に必要な遺伝子がリクルートされないと考えられたため、まず他の外来性の補助因子を移植前に処理するか同時に移植するかを検討したが期間内には誘導を示す証拠を得られなかった。今後は本来持っている遺伝子以外の複数の遺伝子を先に誘導して移植するか、外来性の補助因子との同時に注入する方法が良いかもしれないと推測された。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Microscopy
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1093/jmicro/dfu101
Am J Hum Genet.
巻: 95 ページ: 294-300
10.1016/j.ajhg.2014.07.013
Proc Natl Acad Sci USA.
巻: 111 ページ: 1120-1125
10.1073/pnas.1310777111
Genes Cells
巻: 19 ページ: 13-27
10.1111/gtc.12105
医学のあゆみ
巻: 249 ページ: 31-37
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/devbiol/