研究課題/領域番号 |
25670092
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
國貞 隆弘 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30205108)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 神経堤細胞 / 色素細胞 / Sox1 / K14 |
研究実績の概要 |
Sox1遺伝子が発生時の神経管全体で発現することを利用してSox1-Cre/Rosa26R-EYFPマウスを用いた神経堤細胞のcell lineage解析を行い、Sox1遺伝子の発現の有無により神経堤細胞由来の色素細胞が2分されること、Sox1発現を経験していない色素細胞lineage(Sox1陰性細胞)が頭部と尾部に局在し、Sox1を発現したことのあるlineage(Sox1陽性細胞)は胴部に局在することを確認した。 昨年度は、神経提特異的なCre発現を誘導するWnt-Cre/Rosa26R-EYFPマウスでは全ての色素細胞がラベルされることを確認したが、本年度神経以外の外胚葉(表皮)にCre を発現するk14-Cre/Rosa26R-EYFPマウスの精密なcell lineage解析を行い、確かに、Sox1-Cre 陰性の色素細胞がk14-Cre陽性の色素細胞とオーバーラップすることを確認した。 色素細胞の生存にK i t の機能が必須であることを利用して、Sox1-Cre/Kitflox/floxマウスを作成し、色素細胞頭部、尾部の多数および胴部の一部で色素細胞幹細胞が死滅し、その部分が白斑を呈するとの予想を確認している。このような表現型が得られれば、色素細胞にS o x 1 - C r e 陽性および陰性の2 系統があることの証左となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
色素細胞が起源の異なる神経堤細胞により構成されること、起源によってメラノサイトの性質・分布に違いがあるという我々の予想の検証は着実に達成された。 Sox1-Cre 陽性細胞に関してはSox1 の発現する神経板由来と判断できるが、Sox1-Cre 陰性細胞の由来は確認が困難であった。神経以外の外胚葉(表皮)にC r e を発現するk 1 4 - C r e マウスを利用することによりSox1-Cre 陰性細胞はおそらく神経管形成時の神経板周辺の表皮由来であることが強く示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
さらに我々の提唱した新しい色素細胞の起源を強化するため、色素細胞の生存にK i t の機能が必須であることを利用して、Sox1-Cre/Kitflox/floxマウスを作成し、色素細胞頭部、尾部の多数および胴部の一部で色素細胞幹細胞が死滅し、その部分が白斑を呈するとの予想を確認したい。 現在、Kitflox/+マウスの交配によりKitflox/floxマウスの作成を目指しているが、未だに得られていないため、CRISPR/CAS9法により直接Kitflox/floxES細胞を作成するなどの改良を試みている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた遺伝子組換えマウスの作成が滞っており、必要な予算を消化していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度に作成するために使用する。
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